地方医療の問題

地方の病院では看護師の人数が少ないだけでなく、看護師自体の高齢化も進んでいます。何かの事情で看護師人が足りなくなった場合には、普通に募集してもなかなか応募がないために定年退職した元看護師を再雇用して対応することもあるそうです。また、看護師ばかりではなく、医師や病院に来る患者も高齢化が進んでいます。

Kさん「せっかくだから私がどうしても話しておきたいことがあります。それは高齢化の問題です。都会でも地方でも看護師が不足しているのは確かですが、私は地方の病院の看護師不足の方が都会よりも深刻だと思います。地方だと看護師が足りない上に高齢化してきているんです」

-新卒の方とか、新しいなり手がいないんですか?

Kさん「そうです。地方の子もだいたい看護学校は都会の方へ行ってしまうし、そのまま都会で就職というのもよくある話です。しかもさっきお話ししたように地方の病院は若い人には魅力がないから入ってくる人も少ないんです。だから例えば誰かが産休とかで人手が足りなくなったら60歳以上で定年退職した元看護師を再雇用して対応したりするんです」

-募集しても来ないんですか?

Kさん「ほとんど来ませんね。仕方がないから腰の曲がった元看護師のお婆さんを引っ張ってくるような状況で。極端な例だと私が別の仕事で老人ホームで会った人がいつの間にか自分の病院で看護師をしていたということがありました」

-地方の看護師、というか医療には未来がない感じですね。

Kさん「まさにそうなんです。そんなお婆さんの看護師が腰をたたきながら仕事をしている状態で未来があるはずありません。地方の場合はただ人が足りないだけでなく、医者や看護師も高齢化しているからもっと深刻だと思うんです」

-ちなみに、そういった再雇用の看護師さんは夜勤などもされるんですか?

Kさん「いえいえ。そういう人たちは日勤かパートです。準夜(勤)とか深夜(勤)は正職員がやります。だから正職員は夜勤ばかりになってしまうんですが、労働基準法もあって全部夜勤にするわけにもいかなくてシフト調整が難しいんです。ただでさえ少ないのに正職員は休みたいときにも休めないし本当に大変です」

-そんな状況があったんですね…。

Kさん「特にここみたいな田舎だと看護師も高齢、医者も高齢で専門医もいない、やってくる患者もほとんどが高齢者で一般病棟でも老人病棟のようになっているような末期的な状態です。これがいつまで持つのかは分かりませんが地方ではこういう状況にあるということを是非知っておいてください」

-わかりました。貴重なお話をありがとうございました。